UI-201: T細胞療法ブースターワクチン
当社はMyeloid Targeting Platform™を活用して、リンパ節の重要な抗原提示細胞である樹状細胞やマクロファージを標的とし、TCR遺伝子改変 T 細胞療法(TCR-T療法)の有効性、安全性、持続性を向上させる革新的なT細胞ブースターワクチンを開発しています。
TCR-T 細胞や CAR-T 細胞などの遺伝子改変T 細胞療法は新たながん免疫療法として実用化が進み注目されています。ただ、血液がんでは臨床有用性が示されているものの、固形がんにおける結果はまだ十分に得られていません。これは投与されたT細胞の腫瘍組織への移行・集積が十分でないこと、投与したT細胞の生体内での持続性が限られていること、がんに免疫抵抗性(「Cold Tumor」)をもたらす腫瘍微小環境がT細胞の疲弊を引き起こすため、といった理由が考えられています。これらの課題を克服するために当社はMyeloid Targeting Platform™を利用して腫瘍抗原をリンパ節の樹状細胞やマクロファージに送達し、良質な抗原提示をさせることで、投与されたTCR- T 細胞の継続的な増殖や腫瘍への集積を促し、TCR-T細胞療法の有効性を増強できることを動物モデルで示しました。この成果を臨床応用するために創製されたUI-201 は、腫瘍抗原NY-ESO-1 に由来する長鎖ペプチド抗原を搭載した PNP です。第1相治験では、難治性軟部肉腫の治療における UI-201 と NY-ESO-1 TCR-T 細胞療法の併用によって、有望な安全性と有効性が確認されました。この技術はネオアンチゲンを含む他の腫瘍抗原にも拡張できます。