当社のがん免疫療法技術

ナノテクノロジー応用の抗がんT細胞活性化技術「T-ignite」とは?

T-igniteは、ナノテクノロジー応用のデリバリーシステム「ナノゲル」とT細胞活性化情報物質「合成長鎖ペプチド抗原」から成り、マクロファージと呼ばれる抗原提示細胞の働きを介して抗がんT細胞を選択的かつ強力に活性化する技術です(下図)。T-igniteという名称には、「T細胞の点火剤(T cell igniter)」または「Cold tumorの腫瘍微小環境(Tumor microenvironmentまたはTME)の着火剤(TME igniter)」という意味があります。

T-igniteは「長鎖ペプチド抗原」と「ナノゲル型デリバリーシステム」という2つの成分でできています(下図)。

長鎖ペプチド抗原の働き:T-igniteに含まれる長鎖ペプチド抗原は、数十個の天然アミノ酸が連なったもので、抗がんT細胞ががんを攻撃するときの目印になる情報「T細胞エピトープ」を含んでいます。抗原提示細胞であるマクロファージがT-igniteを取り込み、T-igniteの長鎖ペプチド抗原に含まれるT細胞エピトープを抽出して抗がんT細胞に提示することで、抗がんT細胞を選択的かつ強力に活性化します。当社の長鎖ペプチド抗原は、様々なCD8陽性キラーT細胞及びCD4陽性ヘルパーT細胞を活性化するための複数のT細胞エピトープを含み、さらに独自の最適化技術を利用して安定したT細胞活性化作用を示すようにデザインされています。

ナノゲル型デリバリーシステムの働き:ナノゲル型デリバリーシステムは、長鎖ペプチド抗原を抗原提示細胞のマクロファージに効率よく送り届けるための世界的にもユニークな送達技術です。ナノゲル型デリバリーシステムが無いと、長鎖ペプチド抗原は効果を全く発揮することができません。当社のナノゲルはグルコースとコレステロールできた約40ナノメートルの微小な球状のハイドロゲルで、いわゆるナノ粒子の一種です。表面電荷は中性で、ナノゲル自体は免疫を調節する機能を持ちません。当社のナノゲルは安全性が大変高く、静脈内投与、腫瘍内投与、皮下投与が可能です。ペプチド、蛋白、低分子化合物といった種々の物質をナノゲルの内部に搭載することができ、これらの物質を可溶化・安定化する働きも有します。

アジュバントの重要性:T-igniteの作用を最大化するためには、抗原提示細胞のマクロファージのスイッチを入れるための「アジュバント」という成分が重要です。アジュバントとして働く物質は多種多様なものが知られていますが、当社では、T-igniteの詳細な基礎研究を基に、T-igniteに最適なアジュバントを選んで採用しています。 

(次ページ「T-igniteのユニークな2つの働き」につづく)